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意思決定-集団

集団の意思決定とは?


キーワード: 集団とは集団凝集性集団凝集性と生産性集団圧力―アッシュ実験集団浅慮(グループ・シンク)

 榊原(2002, p67)によれば、意思決定は組織論の中心概念のひとつであるが、組織論で意思決定という場合、決断の一瞬をいうのではなく―
  1. 決定のための機会を見出し、
  2. 可能な行為の代替案を列挙し
  3. 代替案のなかから選択し、
  4. その結果を評価する
の全過程を指している。

本ページは集団によるものである(個人の意思決定についてはこちら)。

そもそも集団とは、二人以上の個人からなり、個人と組織の中間概念であり、特定の目的を達成するために集まった互いに影響を与え合い依存しあう複数の人々である。

榊原(2002, p61-66を参考に記載)は、その活動のレベルにおいて、変数として以下の3つを挙げている。
  1. 役割:集団内の個々人に付与された特定の行動期待。
  2. 規範:集団の構成員が共有している当為としての行動基準。
  3. 集団凝集性:集団のまとまり。構成員が、どの程度互いを魅力的に思い、集団にとどまろうとするか、その意思の程度。
    凝集性の高さに影響する要因:①メンバー間の共有時間、②参加の困難度(新たなメンバーに加わりにくい)、③集団の大きさ(集団が大きいほど、凝集性は低い)、④性別(女性>男性)、⑤外的脅威の存在、⑥過去の成功体験

以下、集団の意思決定を改善することに主眼を置き、集団に関する固有の特性を以下に記載する。

関連)個人の意思決定










集団凝集性と生産性(榊原, 2002)
上述した集団凝集性の高低は、集団の生産性にどういうインパクトを与えるのか。以下にその関係を示した図を示す。

図 集団凝集性、成果規範、及び生産性
出所)榊原,2002,p66, 図Ⅱ - 3
引用元:Stephen P. Robbins, Organizational Behavior, Seventh Edition, Prentice-Hall, 1996, p330, Figure 8-7



この図からは、生産性と集団凝集性の相関関係が必ずしもプラスでないことがわかる(成果規範とは、仕事成果に関する集団規範)。
*凝集性が高いことは、諸刃の剣である面もある。「気楽にやればいい」的な規範では、凝集性の高い集団は、低い集団より生産性が低い。



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集団の弱み

集団圧力―アッシュ実験
集団の凝集性は、集団のメンバーに対して同調への圧力を生みだすことで、アッシュの実験は、同調の圧力が判断を誤らせることを示している。
アッシュの実験―明らかに正解が認知できる問題に対して、被験者1人に対して、7人のさくらが不正解を選択するが、被験者の約35%が同調し、不正解を同調するというもの(別の実験では、正解をいうさくらをひとり混ぜると、誤答率は激減する)。
たったひとりで別のことを主張することにいかに心理的に圧力がかかるかがわかる。
参考)株式投資と心理学【集団思考~アッシュの実験カード~】カラダの知識 ココロの知識【アッシュの実験】


集団浅慮(グループ・シンク;集団思考とも)
集団の圧力によって、様々な行動の選択肢の現実的評価や少数派の意見等の十分な表現が妨げられることをいう。
グループ・シンクを避けるためには、異なった意見を十分に受け入れ、建設的な批判を重視するなど、意思決定プロセスの中に構造的なコンフリクトを導入することが有効である。
参考)Wikipedia【集団思考】GLOBIS.JP【グループ・シンク】
関連用語)同調過剰:グループは多数に従うものだが、議論を通じ、多数派は、社会的圧力を行使して、自らの意思決定を強化し、少数派のインパクトを減殺していくこと。集団意思決定の典型的なデメリット。
*I.L.ジャニスの「『集団思考理論(theory of group thinking)』と集団の凝集性」に関する、キーワード解説は以下。
ブログ「Keyword Project+Psychology





主には、集団には、以上のような特性があるが、個人の意思決定と比較した場合、榊原(2002)は以下の点をメリットとして挙げている。
  • より多くの情報と知識を活用できる
  • 多様なアイデアを活用できる
  • 結論の受容可能性が高まる(メンバーとしての参加していれば、結論を受け入れる確率が高くなる)
  • 正当性が高まる
個人の意思決定、集団の意思決定の優劣ではなく、問題状況の課題に合わせて、組み合わせて活用していくことが望ましい。



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<参考文献>
○榊原清則, 『経営学入門 上 日経文庫 853 』, 日経文庫, 2002, Ⅱ組織行動論―ミクロ組織論, 2集団活動 参照.






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