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組織構造の理解

有機的組織と機械的組織とは?


キーワード: 機械的組織有機的組織学習重視組織効率重視組織タスクフォース

 組織論の研究の変遷は、マックス・ウェーバーが、合理的な組織としての官僚制(Wikipedia)を提唱してから、最善の組織構造を追及したアンリ・ファヨール(フェイヨールとの記載もあるが、ここではファヨールとする)ら、古典的管理論の主要管理原則、その後のコンティンジェンシー理論に至っている。

 そういった組織構造の中のひとつの理想型としての官僚制は、野中(1983, p29)が述べるように、「あらゆる分野の組織活動が組織目標と機能的に結びつくように、その細目が明確に規定され、職務間のマサツ、衝動的行動、個人的な関係が排除された組織活動の予測性と信頼性の高い組織」である。(組織論の変遷は、榊原清則, 『経営学入門 下 日経文庫 854』, 日経文庫, 2002,付録1「経営学の変遷」に詳しい。)



ところが、官僚制には、社会学者マートンによる「意図せざる結果としての逆機能(Wikipedia)」を有しており、時に、マイナスの結果をもたらすことが指摘されている。

それが、機能的か、逆機能的かは、組織を取り巻く環境により左右される。そうして、組織構造と状況要因の間の研究がさかんになり、そのなかで、外部環境が内部のマネジメント構造と関連性をもつことを発見した代表的な研究は、トム・バーンズとG・M・ストーカーによるものである。
Tom Burns and G. M. Stalker, The Management of Innovation (London: Tavi-stock, 1961)

本ページでは、その研究を特徴付けている機械的組織有機的組織について、リチャード・L. ダフト(2002邦訳)を参照し、記載している。









機械的組織と有機的組織(リチャード・L. ダフト, 2002邦訳, pp106-107.)
(機械的)の特徴を以下のように表現
外部環境が安定している時、内部の組織は多くの規則や手続きを備え、明白な階層構造を特徴としていた。組織には公式の手続きが整えられていた。また、高度に中央集権化され、大半の意思決定がトップでなされていた。

(有機的)の特徴を以下のように表現
内部組織がもっとゆるやかで、自由に流れ、適応性が高かった。明文化された規則や決まりが少なく、あっても無視されていた。従業員は組織を見直すことで何をなすべきか考え出さねばならなかった。権限の階層構造は明確ではなく、意思決定の権限は分散化されていた。

この違いをまとめるたものが以下の表である。



機械的な組織形態と有機的な組織形態
リチャード L.ダフト,2002邦訳, p107 図表4-6より。

機械的 有機的
1.タスクが専門的に分かれている 1.従業員は部門の共通のタスクに貢献する
2.タスクが厳密に規定されている 2.タスクは従業員のチームワークによって調整され、改めて定義される
3.権限や統制の厳格な階層構造があり、規則が多い 3.権限や統制の階層構造が少なく、規則はほとんどない
4.タスクに関する知識や統制は組織の中央に集中している 4.タスクの知識や統制は組織の至るところにある
5.垂直方向のコミュニケーション 5.水平方向のコミュニケーション



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 組織は、その全体的な目標を達成するのに必要な設計―安定した環境なら、効率を重視、不確実性の高い環境であれば学習を重視―が必要であるが、外部環境との関係(不確実性が低いか=安定、高いか)を考慮すれば、効率を重視するか、学習を重視するか、言い換えれば、垂直方向の構造を重視するか(=機械的組織)、水平方向の構造を重視するか(=有機的組織)を選択することができる。

下図は、効率を目指して設計された組織と、学習を目指して設計された組織の比較である。



効率重視型と学習重視型の組織構造の比較
リチャード L.ダフト,2002邦訳, p56 図表3-2より。



タスクフォース:複数の部門からの代表で構成される一時的なグループで、一時的な問題を水平的に解決する。直接にヨコの調整をするので、垂直方向への情報の量を減らすことができる。問題が解決すれば解散される。



 組織を適切に設計することで、組織全体の業務を達成するために必要な、従業員間および事業部間のコミュニケーションを促すことは重要であるが、ここで、組織の要素間のコミュニケーションと調整の程度を連結性と呼ぶことにすれば、垂直方向、水平方向では、その関係は、どのようなものであろうか?

垂直方向:組織は、階層による通達、規則、計画、垂直方向の情報システム(定期的な報告書,書面による情報,コンピュータを活用した情報)などで垂直方向に連結できる。
水平方向:直接のコンタクト、情報システム(社内ウェブサイトなど)、タスクフォース、専任の統合担当者(プロジェクト・マネジャーなど)、チームなど、組織の事業部門間で横断的にコミュニケーションや調整を行なうことができる。






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<参考文献>
○野中郁次郎, 『経営管理 (日経文庫 (512)) 』, 日本経済新聞社, 1983, 第1章 組織構造の理解を参照。
○リチャード・L. ダフト,髙木晴夫訳, 『組織の経営学―戦略と意思決定を支える』, ダイヤモンド社, 2002邦訳, Ⅲ部第4章外部環境と組織の関係、特に、pp106-107を参照。表の引用元は:Gerald Zaltman, Robert Duncan, and Johnny Holbek, Innovations and Organizations (new york, Wiley, 1973), 131.






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