経営基礎用語集ホーム | 経営基礎用語集インデックス | MOT用語集 | E-mail

多角化と組織構造

多角化による組織構造の影響とは?


キーワード: 経営戦略と組織構造の関連性分権化と集権化の特徴分権化した組織の問題

 米国の経営史家―アルフレッド・チャンドラーは、米国の大企業の1920年代以降の管理組織上の革新には共通のパターンがあることを発見した。それは、多角化が進めば、(集権的)職能別組織から(分権的)事業部制組織を採用していく*、というものである。(野中, 1983参考、“多角化戦略”についてはこちら。)

本ページでは、集権⇔分権をキーワードに、自律性を持った事業部と本社の役割はどうあるべきなのか、を主題に、野中(1983, pp46-48)、アルフレッド・D・チャンドラーJr.(2004邦訳)、石井他(2002)を参考にいくつかを記載する。

*(チャンドラーの)経営戦略と組織構造の関連についての要約(以下は石井他, 2002, p132を参照)
  1. 組織構造はその企業の採用した成長戦略に従う(=有名な「組織は戦略に従う」)。
  2. 米国企業の戦略と構造には段階的な発展があった。
  3. 組織構造はそれを変革しないと会社が非効率になってしまうという限界まで変化しない。










集権化と分権化の特徴
集権化と分権化の特徴は、安定した外部環境であると、集権化(特に中央集権化)された組織は意思決定において効率的であり、逆に、分権化された組織では、不確実な外部環境へ対応できる強みを有することである。


分権化した組織の問題
メリットを総合すると、資本を使用した利益創出の効率を高めることができることにある(スローン)。デメリットは、以下のとおりである。
資源配分の最適化
最も成長する分野に最大に投資できない。
組織の軋轢(分権化による新しいセクショナリズムが発生、部門利益の部分極大化)
事業部などでの人材の囲い込み
シナジーを生む障害となる。
重複の不経済
儲かりそうな事業に、複数事業部が取り組むなど。
また、デュラント時代のGMのように中央のコントロールが行き届かなくなってしまったり、多角化が行き過ぎると、戦略的意思決定を下すパーソン(=多くはトップ)との距離が離れすぎてしまうことなど、組織のレイヤーが多すぎることも問題である。

これらの組織構造によるデメリットは以下により補うことが可能である。
  1. 組織文化
    横断的なコミュニケーションを促進する風通しの良い組織文化。
  2. リーダーシップ
    理念を掲げるリーダーシップ。



(インプリケーション)
「構造化と自由」
―構造化と自由とは、業務システムを設計する際に使用される概念である。この場合で考えると、構造化を進めるとは、タスクが細分化され意思決定機関が集約された集権化を促進し、自由度が高いとは意思決定の自由度を高め、分権化を促進する。

この境界線を何によって引くか?

例えば、顧客の要求機能の重複度により引くことは、事業の再編に見られることである。いずれにせよ、この問いに答えていくことは、ひとつの対処であるといえる。



ページトップへ戻る









<参考文献>
○野中郁次郎, 『経営管理 (日経文庫 (512)) 』, 日本経済新聞社, 1983, 第1章 組織構造の理解を参照。
○石井淳蔵, 加護野忠男, 奥村昭博, 野中郁次郎, 『経営戦略論 』, 有斐閣, 2002, p132.
○アルフレッド・D・チャンドラーJr., 有賀裕子訳,『組織は戦略に従う』, ダイヤモンド社, 2004, 主には、第三章 ゼネラルモーターズ(GM)における「スローンの組織構想」を参照。






ホーム | ブログ | 他のコンテンツ | Information | E-mail
Copyright (C) 2008-2010 i-Library MOT テキスト製作委員会